防災系の情報ツールがうまく機能しない理由

bousai

「行政と地域コミュニティの協働による防災システムや地域SNSの連携・運用の現状や課題等についての意見交換会」に参加してきました。

今回参加してみて防災系の情報ツールがうまく機能しない理由が分かった気がしました。研究者が災害データを元にこういうツールが必要だろうとツール先行型で、防災の専門家しか理解できない小難しいサービスを提供してしまう。実際利用する一般市民はさっぱり分からず、その使い方を理解するのに精一杯で面倒くさくて普及しない。

こういうツールを開発する時になぜ人が勝手に活用してくれるというのを前提に作るのだろうか。正直人を動かすのが最も難しくそこを研究していない気がする。だから何を作ってもまったく活用されていない。庁内でも災害シナリオに対するアンケートをお願いしても実務が忙しくて反応が鈍いという。仕事でやっている人たちですらそんな感じなのだからまったく責任のない市民たちを自発的に行動させるのはよっぽどの意識付けがなければ難しいと思います。

それを踏まえて理想的な防災ツール開発の流れとしては、まずは属性にこだわらない地域内の人と人とのつながりを作って、そこに防災意識を共有し、話し合いによって「うちの近所はこういう連絡方法があると便利だね」と何が必要かを見つけていく感じがいいのではないだろうか。実際、必要性のある人だったら何を使ってでもやる。もうメールでもFacebookでもTwitterでも街頭掲示板でも拡声器でもいいんじゃないかと思った。

一番重要なのはツールではなく、それらの必要性を感じるほど防災意識を持った仲間たちを地域内で作ることだと思う。