ライブ動画配信の仕事をしてますと目新しさから、とにかく生中継にしてくれという依頼がきます。大体の目的は宣伝・拡散です。最近私はそういうお客様には「それって本当に生中継でやる必要があるのか?」と考えてもらうようにしております。
いまの世の中、大好きなドラマだって録画して自分の好きな時間で見るオンデマンドの時代です。生中継はリアルタイムですから、その時間にパソコンの前で待っていてくださいとお願いしないといけないわけで、あまりにもハードルが高すぎて、とても有効な宣伝ツールとは言えません。
よっぽど成層圏からスカイダイビングとかスペースシャトル打ち上げとかサッカーの国際Aマッチとか格闘技などのキラーコンテンツでもない限りいまの人は生中継なんて見ません(ずっとパソコンの前に座っているギークは別ですが、おそらくターゲットの可能性は低い)。
ではどういうケースでUstreamは有効なのかと言いますと、フロントエンド商品で登録してもらった方や別媒体ですでに商品を購入してくれた既存の顧客など、すでに自分たちがどういう商売をしていてどんな情報を提供すると把握している方々に、より自社を知ってもらいたいとか、交流してより好きになってもらいたいとか、さらに新しい商品を出すから購入しませんか?という場合、もしくはビジネスセミナーや塾の授業など視聴者があらかじめ待っていて、質疑応答など双方向でやりとりが必要な場合です。
この場合、時間をかけてじっくりと視聴してくれるお客様の名簿を育ててですね、「何月何日の何時にライブ配信しますから、パソコンの前で待機して見てください。」と事前に連絡がつく(プッシュ通知など)仕組みを作ることが大切です。
Ustreamをやっている人で「Twitterで視聴者につぶやいてもらえば拡散して視聴者が増える」という人がたまにいますが、私はこれを2年本気でやってまったく無意味でしたので、絶対に信用してはいけません。
Ustreamは自社のポジショニングをプラットフォームと言っています。それはどういうことかというと「ニコ生のようなメディアではなくJストリームのようなインフラ会社でもない、誰でも気軽に配信できる場所は用意するけども、もし視聴者を増やしたかったり、宣伝したいのならばUstreamにお金を払ってね。」というスタンスです。
ただUstreamにはUstreamBizという月間50万円〜300万円の宣伝商品があるのですが、Ustream内での広告表示なので、Ustream自体、どれだけの人が見てるの?と言われると限界が見えてしまいます。そこを考えるとUstreamは拡散ではなく既存顧客との交流を深める(エンゲージメントを高める)ためのツールだよねと言わざるをえません。
なのでもし宣伝、拡散が目的で動画コンテンツを配信したい場合は絶対的にYouTubeがおすすめです。以下にUsteramとYouTubeの違いをまとめてみました。
YouTubeですとオンデマンドなので視聴者は時間を選ばす、好きな時間、好きな場所、好きな端末で動画にリーチできます。さらに動画を拡散したい場合、アドワーズという世界最強のネット宣伝ツールで簡単にターゲットを絞ったり、料金を指定したりフレキシブルにプロモートができます。ただもうYouTubeの月間ユーザー数は8億人ですし、Googleの検索にもひっかかりますし、タイトル・本文のキーワードとタグだけしっかり設定すればアップしただけでもUstreamよりは見てもらえる可能性があります。さらにYouTubeは再生リストという動画管理の仕組みも最強で、テーマやメニューごとに分類して動画を管理することができますので視聴者により欲しい動画により簡単にリーチしてもらえる仕組みも充実してます。
そんな感じでライブ動画配信を企画している場合は「それって生中継する必要あるの?」と一度よく考えてください。
目的が「商品を知ってもらう」というのであれば、60分の生中継でも1分のYouTube動画でも効果が同じケースもありますので。
以上、意外とこのブログって読んでもらえてるのだということが分かったので少しお役立ち情報を書きました。