政治家の動画活用

この2年半いろいろやってきた政治家が発信する動画について私が取り組んできたことを備忘録的に書きます。

まず最初に一般人は政治に関心がないということをシビアに受け止めないといけません。そこをベースに「では、どうやって動画を見てもらおうか」というところから入らないと最初から一般人とかけ離れた情報発信となってしまいます。もちろん橋下知事や安倍首相など知名度の高い方が、マスメディアで取り上げてられているような関心の高い内容を配信するような例外もありますけどもそこは考えないことにします。

私はいつも情報をネットに出す場合、その情報はどんな形で出した方が相手に伝わりやすいかということを考えます。選択肢は「文字」「写真」「動画」の3つに分けます。

文字」は閲覧者の時間でゆっくり読むことができてじっくり論理的に説明したい場合に向いています。「写真」は文字では説明しきれない視野的な情報を補ったり、また百聞は一見に如かずと言われるように写真からストーリーを表現することもできます。「動画」は動きが表現できたり、文字や写真では伝わらない「人間の人柄」や「場の雰囲気、空気」を伝えることに向いています。ただ、動画は視聴者のタイミング関係なくどんどん進んで行きますので文字に比べ印象を残すにとどまることが多いです。

それらを鑑みて、この情報は動画にした方がいいのか、文字や写真の補足情報が必要なのかなどそれぞれの特性を活かしたスマートな使い方が必要となります。伝えたい情報を一般的な視聴者の立場目線で、どのように伝えるか、どうやったら見てもらえるかにもっとも力を注ぐ必要があります。

次に視聴者目線というからには視聴者の視聴動向を分析しないといけません。YouTubeにはアナリティクスという視聴者の動向を解析してくれるサービスがありまして、その中に視聴者維持率という1回の再生あたりの推定平均再生時間を教えてくれる項目があります。以下が私のいままでアップした動画の視聴者維持率です。

ijiritsu

私のアップした動画はホシノテレビなどUstream番組をそのまま共有しているものなど60分を超える動画もありますが、なんと1分22秒でした。YouTubeを活用している人たちがだいたい声を揃えて言う「動画を見てくれる時間の長さはせいぜい90秒だよね」というのは私のアナリティクスからも数字で実証されています。

ということは見てもらえる動画を制作する際は、長くてせいぜい90秒と考えた方が良いと思います。どうしても90秒ではまとまらないという場合は、細かく切ってシリーズ化すれば良いと思います。その時は必ず「1/15、2/15、3/15」といったように番号を振ってください。Googleなどの検索で「7/15」などをたまたま見てもらえた時に、その動画が気に入った人は人間の心理として「1/15」が見たくなるコンプリート心理が働くからです。さらに細かく例えば政策ごとに動画をアップしておけば、やたら視聴回数が高いものなどが出てきたら、その政策がいま国民が一番関心が高い問題なのかと独自のリサーチとしても使えるという効果も得られます。

政治家の動画活用に関してはまだまだたくさん書けるのでこれはシリーズ化します。
今回は「動画の立ち位置」と「動画の再生時間」と「動画を細かく分けることで得られるメリット」について書きました。