ネット選挙の備忘録

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2014年12月に執行された衆議院議員選挙におけるネット選挙対策の備忘録を忘れないうちに書き残しておきます。

【やったこと】
1.政策をテーマ別に分けて、それぞれページを作りGoogleアナリティクスで有権者は何に興味があるかを分析

2.公式サイトのとおりプロフィールと実績と政策をWikipediaに掲載。

3.ソーシャルリスニング(Twitter、Facebook、ブログ、掲示板のリアルタイム検索)で有権者の情勢を分析

4.ソーシャルメディアの投稿スケジュール(投稿する時間、何を投稿するか)を事前に決める。

5.政策テーマと20文字程度の説明文と候補者の顔写真が入った画像を作り、政策詳細ページへのリンク付きでSNS投稿

6.街頭演説会などのスケジュールを候補者の顔写真入りの画像を作り、SNS投稿

7.投票日までのカウントダウン画像を作り、SNS投稿

8.有名な方の候補者への応援メッセージ動画を収録し、字幕を入れてFacebookとYouTubeにアップ、TwitterにはYouTubeリンクを投稿。

9.候補者のメッセージ動画を収録し、字幕を入れてFacebookとYouTubeにアップ、TwitterにはYouTubeリンクを投稿。

10.候補者が支援者(お年寄りや女性、子供)と触れ合っている自然な写真を毎日SNS投稿

11.有名な方の応援演説を動画に収録し、ダイジェストをYouTubeにアップ、リンクをSNS投稿

12.候補者のサイトバナーを作成し、支援者のサイトに貼り付けを依頼

13.メールマガジン専用のメッセージ動画を収録し、支援者にワンアクション(SNS投稿のシェア、声かけ)を依頼

14.次に何を投稿するかは常にソーシャルリスニング、アナリティクスの解析をもとに行った

【気づき】
1.動画はYouTubeよりもFacebookの方が再生回数が多かった(10倍〜20倍)
YouTubeの登録者が少なかったのと、FBはフォロワーのフィードに表示され、さらに自動再生される。
自動再生中は音声が出ないので字幕を入れないと見る方はイライラする。スマホのパケット制限を気にしている人が多いので投稿のしすぎには注意。動画で注意すべき点を以下に残します。
a. 照明(暗い映像だとイメージダウン、照明を使いとにかく明るく)
b. 音声(音声マイクはなるべく口に近付けられるものを選ぶ)
c. 字幕を入れる(スマホで見てる人はほぼ音声が出せる状態ではない)
d. 動画の長さは30秒〜60秒(継続維持率は60秒から激減)

2.約60%はモバイル端末からのアクセスだった
スマホ、タブレット端末対応は必須なのは当然として
さらにこれらの端末に親和性のあるコンテンツを考える必要がある。
スマホのパケット制限があるためか滞在時間を分析すると有権者は動画よりもテキストを好んでいた。

3.メールマガジンの登録者数がネット選挙では重要
名刺交換レベルの人ではなく協力(ワンアクション)を頼める濃い関係の支援者だけ専用リストが必要
日頃の集会などで呼びかけを行いコツコツ名簿を育てることがネット選挙の鍵

4.Facebookページは候補者名で作り、普段からフォロワーを増やしておく
「サポーターズ」や「事務所」など分散させず候補者名だけのFacebookページの方が反応が良かった。
選挙期間中は候補者はほぼSNS投稿は難しいので、スタッフが代理で投稿できるFBページは作りましょう。
もちろん本人ではない場合、投稿時に(スタッフ投稿)を付けること。

【感想】
一般人は候補者や身内の投稿にうんざりしている
ネットはリアルの補完ツールなので、リアルの選挙運動方法が変わらない限りネットでのやり方も同じようになってしまうのかもしれないが、ソーシャルリスニングを見ても、ネット選挙絡みの投稿には一般人はうんざりしていた。これがさらに一般人の政治との距離を広げていくのではないかと危惧しています。

一般人に近づいてもらうために施行されたネット選挙解禁が、逆の効果をもたらさないように政治家と支援者はもう少し一般人の気持ちを調査して、どうすれば能動的に政治にかかわってもらえるのか、ネットの利用方法を探る必要があるのかもしれません。