地域SNSがうまくいかない理由

地域SNSはあくまで市民活動の補完的役割を担うものなので、まずはそれを活用する問題意識を持ったコミュニティの形成がなければその必要性は発生しません。地域SNSがうまくいかない理由はその機能ばかりを議論していて、そもそもそれを活用する市民をどう巻き込むのか、市民にどのような役割を与えるかの議論をしていないところなのです。

地域SNSの運営者たちはシステムさえ作れば自動的にそれを市民はやってくれるものと思い込んでいるケースが多い。しかし、もしこれが仮に民間企業のサービスであるならば、そのシステムをどうやってお客さんに活用してもらおうかという作業に一番力を注ぎます。

なのでまず、その機能の話をする前に、どのような段階を経て地域SNSが活用されていくのかをゼロベースから議論する必要があります。

tiiki

このブログにも何度も何度も書いてますが、ネットはあくまでリアルの補完的な役割を担うものなので、まずはそれを活用するコミュニティの存在なくして、ネットサービスの必要性は生まれません。地域SNSとはアクティブな地域コミュニティの人たちが活動するのに連絡を取り合ったり情報共有するための道具として利用するものなのです。

だいたい地域SNSの議論をする人たちはこのベクトルの逆を行っていて、「地域コミュニティとは無縁のただネットに詳しい人たち」が運営を行っているケースが多く、中身のない、ただ機能だけの議論しかしていないのが実情です。

まずは地域SNSの議論をする前に、地域で使うSNS(属性を地域にするウェブサービス)の提供を考えているのであれば、地域コミュニティの形成から段階を経ていかなくてはなりません。

この地域コミュニティは、若者の自治体離れや無関心などますます希薄化しており、深刻な問題となっております。ここはじっくりと時間をかけてネットの力を借りるのではなく、皆が気軽に出会えてオープンな対話ができるリアルの「場」を作り、実際に触れ合いながら「対話」をしていく必要があると私は考えております。